Patient
原則、医療機関からの紹介・予約制です。
まずは「かかりつけ医」を受診してください。
かかりつけ医から初診患者専用「予約センター」へ初診の予約を行います。
痛みに関する国際的な学術組織である国際疼痛学会は「痛みとは組織の実質的あるいは潜在的な傷害に結びつくか、このような傷害を表す言葉を使って述べられる不快な感覚・情動体験である(1994)」と定義しています。実際、痛みを末梢から脳に伝える経路は、痛みの感覚成分を伝える経路と、痛みの感情成分を伝える経路や、自律神経系へ情報を伝える経路など複数あり、脳にそれらの情報が集まり、全体像を認知するとともに、脳から脊髄への下行性の痛みの修飾経路もあり、それらを総合した体験として、人は痛みを体験しています。
右図に示すように、社会生活においては、環境や身体状況だけでなく、個人の独特な考え方(認知)・感情や行動パターンにより、そのときの痛みに対する対処が決定し、その結果、痛みが軽減するか、悪化するかが決まってきます。痛みが急性期を超えて、適切な治療を受けても3か月以上持続し慢性化している場合には、右図のような観点で病態を分析し、器質的・機能的病態とともに、心理社会的観点も加えた生物心理社会的モデルに沿って、医学的対策を練ることが有用です。
慢性疼痛に対する集学的治療のチームは、医師・歯科医師、看護師、理学療法士、作業療法士、臨床心理士(公認心理師)、薬剤師、栄養管理士、ソーシャルワーカー、精神保健福祉士などの多職種で構成されることが多いようです。各スタッフは慢性疼痛を生物心理社会的モデルで捉えるという観点を共有しながら、自身が専門とする知識や技能を活かして、評価や治療介入を行います。
九州大学病院には医師・歯科医師・看護師・薬剤師・理学療法士・作業療法士・心理士(師)・栄養士などの多職種がそれぞれの専門分野を研鑽しておりますので、痛みについての集学的な医療を発展させる拠点として、診療レベルでの連携とともに、医療スタッフの教育・臨床研究の発展も目指し、九州大学の各部門で行われている最先端の基礎研究との連携も課題としていきます。さらに、九州地方のさまざまな医療機関と連携して、啓発事業を行っていく予定ですので、連携情報もこのHPに掲載していきます。